2012年1月30日月曜日

まるで設定資料「シェルブリット ADEN ARABIE」幾原 邦彦、永野 護

シェルブリット I ADEN ARABIE (角川文庫)「少女革命ウテナ」の監督が書いたSF戦闘小説です。人型のロボットに乗り込んで、戦闘します。戦闘シーンそのものは面白いのですが、他はまるで書かれていない。人物描写も小説だけでは殆どわからず、付属の設定資料、これが3分の1、を読まないとよくわからない。ちょっと小説ではない気がします。★★

2012年1月18日水曜日

学生の方は必見です「クリエイティブ業界を目指す人のためのポートフォリオ見本帳」尾形美幸

クリエイティブ業界を目指す人のための ポートフォリオ見本帳この記事を書いた著者の本です。「業界研究フェア2011で開催された、ポートフォリオのセッション」。CGや、IT関係に美術系の方々が就職するための関門、ポートフォリオの書き方の実践例が詰まってます。これで、説明が凄く楽になります。★★★★

2012年1月17日火曜日

「新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編」夢枕 獏

新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS)わざわざ、新をつけた新シリーズですが、中身は同じです。相変わらず新しい登場人物も登場。試合自体は面白いです。今回は、ジャイアント馬場らしき選手が登場します。★★★

2012年1月16日月曜日

たった10ページのために、上下巻「一刀斎夢録」浅田 次郎

一刀斎夢録 上大風呂敷は、最後の10ページのみ。ここにたどり着くまでに、延々上下巻を読まなければいけません。ちょっと長すぎ。新選組の斎藤一が、生き残って明治の終りに、生涯を語ります。しかし、始めに出てきた、乃木の殉死はどうも納得できないままに終了。今ひとつなのでは。★★★

2012年1月11日水曜日

「職業は武装解除」瀬谷ルミ子

職業は武装解除NGO、国連機関、そこで行われていることの関係がこれほどよくわかる本も珍しいです。武装解除した後も、兵士は生活があり、彼の周りにも武器を持たない、もっと悲惨な人々がいる。その中で、武器を持っていたことで、それを提供することで優遇されることの理不尽。そして、それを通じてしか変えられない世界。薄く、すぐに読める本ですが、大変な本でした。 DDR(兵士の武装解除Disarmament・動員解除Demobilization・社会復帰Reintegration)というシステムを忘れず、ニュースを見たいと思います。★★★★

2012年1月10日火曜日

陰陽師の新たな二人組「翁‐‐OKINA: 秘帖・源氏物語」夢枕 獏

秘帖・源氏物語 翁‐OKINA芦屋道満が、光源氏と組んで、謎解きのロードムービーです。ネストリウス派や、マニ教といった下らない話に飛ぶのが興ざめですが、久々に読んで面白い小説です。光源氏は新しい性格の主人公。「涅槃の王」のシルダルータを思い出します。★★★

2012年1月8日日曜日

新幹線で読みました「吉原御免状」隆 慶一郎

吉原御免状 (新潮文庫)日本の時代劇だと、最も面白いと思える、隆 慶一郎。新幹線駅のキヨスクで買いました。もちろん再読ですが、久々に読むと懐かしいです。「鬼丸斬人剣」があればよかったのに。★★★

2012年1月5日木曜日

やはり祖父江慎「ルー=ガルー ― 忌避すべき狼」京極夏彦 祖父江慎

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼京極夏彦の本なのでとにかく厚いです。デカイ。一目見た時、祖父江慎デザインだとわかりました。祖父江慎デザインの本は、書店で眺めただけで、すぐにわかります、さすが。中身は、近未来武侠小説と書いてあって、女子中学生たちの武侠モノです。登場人物たちがカッコイイ。銃なんていかに古い兵器かわかります。続編ないんでしょうか。★★★

2012年1月4日水曜日

「想像力の地球旅行―荒俣宏の博物学入門」荒俣 宏

想像力の地球旅行―荒俣宏の博物学入門 (角川ソフィア文庫)大著「世界大博物図鑑」へと続く、博物学の入門書といった本です。主に、大航海時代からダーウインまでの航海、物品の採集、図鑑の制作までがコンパクトにまとめられています。後ろの方に、江戸時代、明治の日本の博物誌付き。シーボルトの話し、インコのおたけさんの語源、面白いです。★★★

2012年1月3日火曜日

リアルなワイヤード「越境する脳 ブレイン・マシン・インターフェースの最前線」ミゲル・ニコレリス

越境する脳: ブレイン・マシン・インターフェースの最前線アカゲザルの脳に針を刺して、皮質ニューロンの信号をロボットアームの制御信号に変換した方です。ちなみに、ATRのロボットの接続先が、このサルたち。ニューロンは、集団で信号を形成し、しかも ニューロンマルチタスキングで、1つの仕事をしながら、別の仕事もやっている。こうした、BMIの次は、複数の脳をつないで、直接信号のやり取りも行なっています。待望の翻訳書です。ただし、原文が詩心満載で読みにくいです。1章は、悪夢。4章ぐらいまで我慢すると、読みやすくなります。マウスの脳に電気信号を流して、迷路を抜けさせる話が続きます。種痘や手術に対する恐怖が、19世紀的な恐怖とすれば、脳に針を刺すのうんぬんは、21世紀的な恐怖なのかもしれません。ぼくは、はやく、脳に針を刺してみたいです。ちなみに、人間の場合、電極帽子を被る方式ですが、分解能が足りないようです。しかし、著者はもっと先を考えているようで、この本その辺りの、ハリウッド的な脳接続を超える場所を、最後に示しています。著者紹介に、 ローマ法王庁生命アカデミー(Pontifical Academy for Life)の会員でもあるとの表記も。さすが、マリア様の国ブラジル。ブラジルが、BMIで先進国になる日も近い気がします。★★★★★

海軍士官候補生版スチームパンク「リヴァイアサン ―クジラと蒸気機関 」スコット・ウエスターフェルド

リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)ローカス賞/オーリアリス賞受賞のスチームパンクです。スチームパンクというと、実験的な文体が多いのですが、この作品は娯楽作品。教養小説的士官候補生もの、実は王子様だった、実は女の子が男の子に化けてた、遺伝子操作の怪獣、ケシロン油で動く陸上戦艦、たぶん次巻で登場する自分だけが動かせるジャイアントロボのような巨大な力などをハリーポッター式に詰め込んで、それでいて登場人物を絞って読みやすくすることに成功してます。いわば、スチームパンク版ハリーポッターのようなウケ狙いの作り。 装丁は、60年代に出版された、早川SFシリーズと同じ、銀背・小口塗りを復活。といっても、ぼくもこの装丁は、火星人ゴー・ホームを、図書館で見たことあるぐらいですが。とにかく、3巻のシリーズいい滑り出しです。★★★

2012年1月2日月曜日

2011年版「冷たい方程式」トム・ゴドウィン

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)31年ぶりに、冷たい方程式が再刊されました。冷たい方程式、信念の2作品は、旧刊ままですが、他7編が新しい作品に変わっています。といっても、1950年代あたりのの古い作品を再録しています。amazonで新旧の関係を調べたんですが、2011年版のレビューの中身が旧作になってます。これまずいですよね。ともあれ、古い味わいそのままの作品が入った短篇集です。★★★

2012年1月1日日曜日

貧困と闘うベンチャーキャピタル「アキュメン・ファンド」CEOの渾身の力作「ブルー・セーター――引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語」ジャクリーン ノヴォグラッツ

ブルー・セーター――引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語帯に「貧困と闘うベンチャーキャピタル「アキュメン・ファンド」CEOの渾身の力作」と書かれていて、これ素晴らしい要約でした。タンザニアで売り出される、マラリア対策の蚊帳。アフリカ各地で売りだされている、灌漑ポンプ。低価格の灌漑システム。最近、デザインという言葉で語られる、新しい商品たちに資金を提供する組織の成り立ちが書かれています。彼女自身の物語でもあり、始めてアフリカへ到着した際の部分は、真の冒険です。 「価値観や原則をめぐって話しあうきっかけとして、文学や偉大な哲学的、政治的作品に触れることが役に立つのを学んだ」など、この組織が成長するためのカリキュラムも紹介され、知恵が詰まった本です。世界という言葉が、急に身近に感じられる、珍しいほどの良書です、この本を読めたことに感謝。★★★★★

劉秀がかなり現代人「草原の風 上中下」宮城谷 昌光

草原の風 - (下)一文字の資料の中にも、その背景を見ていた宮城谷作品らしくない、よく知られたエピソードを繋いだような作品。漢の中祖、光武帝の物語ですが、資料の裏もなく、真に理想的な人物として描かれ、王莽は完全な悪役。天の声を聞く、不思議もなく、合理的に現代人の目で描かれる光武帝は、可哀想です。現代人に阿るのではなく、歴史の中で史書の中で眠る彼を起こして欲しかったです。それにしても、この本の評判がいいのには驚き、みんなわかりやすい、善人の歴史だけを求めているんでしょうか。人間の不思議を常に描いてきた、宮城谷作品の価値を問い直して欲しいです。★★★

明けましておめでとうございます。


今年も読んだ本で面白かったものを紹介させていただこうと思います。
読んだ本は、175冊で、200冊も読めないという少ない年になりました。
しかし、再読した本は入れてないので、それでようやく200冊超です。
ちなみに、1番アクセスが多かった記事は、「2011年 ニコライ堂のバザーは、11月4日5日です」
でした。

5つ星をつけたのは、

「三国志10巻」宮城谷 昌光
9巻10巻は歴史に残る、三国志になってます。

「これが見納め―絶滅危惧の生きものたち、最後の光景」ダグラス・アダムス、マーク・カーワディン
銀河ヒッチハイクのアダムスが、実際に旅をした旅行記です。出色!

「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」ジュノ・ディアス
海外文学の力量がわかります。

「史記 5  武帝紀」北方謙三
三国志から始まった歴史ものの中で、初の5つ星です。

「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」ウンベルト・エーコ, ジャン=クロード・カリエール
薔薇の名前のエーコにとって、紙の本というものがどういったものなのかがわかります。親子3代ぐらい手渡せるような本でないと本ではない、今の日本の本のコンセプトの貧しさが身に染みます。

「切りとれ、あの祈る手を <本>と<革命>をめぐる五つの夜話」佐々木 中
本は、人を狂気に陥れる悪魔の兵器です。

「ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方」ブライアン・ヘイズ
これほど数学を楽しめる本は、始めてです。

「世界を変えるデザイン ものづくりには夢がある」シンシア・スミス
これは、5つ星ではないのですが、本に書かれていた内容が素晴らしい。
世界の90%の人は、1日2ドル以下で生活している。そんな彼らの生活をデザインで変えられるといった本です。

今年も素晴らしい本に巡り会えますように。