2011年12月31日土曜日

壮絶なごちゃ混ぜが最後まで続きました。「火星の挽歌 〔タイム・オデッセイ3〕」アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター

火星の挽歌 (海外SFノヴェルズ タイム・オデッセイ3) (海外SFノヴェルズ)200万年の歴史を継ぎ接ぎされ作られた、第2の地球ミール。宇宙エレベーターを超える、宇宙サイフォン。火星に送られた数々の観測機。地球を含め多くを滅ぼそうとする謎の異星人。この宇宙の成立と、その生成時に端を発する謎の物理。3体の巨人AIが送られた謎の異星人たち。そして、火星や地球に住む人類の幸福。書くだけ書いて。広げるだけ広げ、結局、何もわからないままに3部作の終焉です。小説としてはずたずた。まるで、出来の悪い高校生が書いたような小説ですが、巨人2人がどうしても書きた方ことを、この中から発掘するしかないのでしょう。しかし、どうしてこれほど酷い小説になったのか残念でなりません。★

掬とは、一すくいといった意味だそうです「天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河」小川 一水

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫JA)ついに星間戦争が勃発。数千年体位の闘いに人類が巻き込まれているということがわかります。物語は、父親と娘の愛情+スペースオペラでスターオーズしてます。2つの物語がからみ合って、久々に読んで楽しい作品になってます。★★★★

2011年12月29日木曜日

「マリアナ機動戦―覇者の戦塵1944〈5〉」谷 甲州

マリアナ機動戦―覇者の戦塵1944〈5〉 (C・NOVELS)ついに空母艦載機同士の制空権をかけた闘いが始まりました。誘導ミサイル翔竜もついに発射されます。次号は、米軍の上陸。最後に、今までの技術を集結した理想の戦闘を行なって欲しいです。★★★

2011年12月26日月曜日

最早、楽屋落ち「鬼物語」西尾維新

鬼物語 (講談社BOX)続編を出版社から頼まれて漫画が続くとか、映画化がどうとか、最早、作品の姿が無くなって、楽屋落ちが続きます。それでも、それが物語に味をつけるのならいいのですが、なんの関わりもありません。オタクとして、ネットで書きまくって楽しむ人以外には関係のない小説。ちょっと最低です。★

2011年12月25日日曜日

「マリアナ機動戦―覇者の戦塵1944〈4〉」谷 甲州

マリアナ機動戦―覇者の戦塵1944〈4〉 (C・NOVELS)ついに、この架空戦記も20年目に入ったそうです。飛行戦闘の実験が続きます。今回は、彗星を改造した機体で、B29に挑みます。1万メートルでのレシプロ機の攻防。そして、その墜落機救助に向かう潜水艦と、陸上哨戒機との攻防。めずらしく全ての闘いが1つに集約されて終ります。ただ、今回、文章がやたらと読みにくくなってます。★★★

2011年12月24日土曜日

史記、亡佚の今上本紀登場「史記 6 武帝紀」 北方謙三

史記 武帝紀〈6〉今回は、蘇武と李陵が中心ですが、司馬遷がついに五帝本紀を完成。これを、武帝が読みます。国を書くのかと思った武帝紀ですが、ここにいたって、やはり個人を描くことに戻ったようです。史記が読みたくなって、34年ぶりに拾い読みを始めました。http://kanbun.info/shibu01/shiki000.html こんな時に、すぐに読めるのは助かります。感謝。今上本紀は、今では亡佚しているため、武帝が読んだものを、読めないのは返す返すも残念です。★★★

2011年12月23日金曜日

延々に続くドタバタ「ダーティペアFLASHー天使の微笑、天使の憂鬱、天使の悪戯」高千穂 遙

天使の憂鬱―ダーティペアFLASH〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)3冊通して読んでみましたが、延々と設定されたキャラが、その性格を演じ続けます。アニメか、ゲームのシナリオ用に書かれたとしか思えません。逆に、ゲームが途中でキャラの性格が変わったらどうなるんだろうと考えてしまいました。どうなるんだろう。★★

この時代をこれほど面白く読めるのは幸せです「三国志10巻」宮城谷 昌光

三国志〈第10巻〉ついに諸葛亮が死に、曹叡も死去、最早大物は、司馬 懿だけです。三国時代が終わって、物語的に面白いはずもないのに、ますます、この小説は面白くなります。演義とは全く違う、司馬 懿も面白いし、まったくかっこ良くない曹爽でさへ、その行動を読むのが楽しくて仕方がない、一重に著者の着眼、人物への思い入れが溢れているからに違いありません。どこまで、この三国志が続くのか楽しみです。★★★★★

2011年12月21日水曜日

ドタバタ喜劇になってしまいました「アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う」ゲイル・キャリガー

アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う (英国パラソル奇譚)シリーズ3作目、2作目でスピード感が出て、面白くなってきていたのですが、今回はいいかげんなドタバタで終わってしまいました。吸血鬼や人狼の魂問題も、できが悪るいし、登場人物に深みもない。なんとかなるさで、その通りに終わって緊迫感もなし。駄作です。★★

2011年12月11日日曜日

世界史に直結する地下空間「ベルリン 地下都市の歴史」D&I・アルノルト+F・ザルム

ベルリン 地下都市の歴史パリの17世紀から続く地下と違って、近代に作られたベルリンの地下。ナチスと、社会主義の中で作られたシェルター群。それは、パリとは違って意外にキレイで、ちょっと人が帰ってきて掃除したら住めるような空間で、20世紀の整然とした建築物でした。地下って、どうしてこんなに気になるんでしょう。★★★

2011年12月9日金曜日

難解ですが、テーマは変わらず「翼の贈りもの」R.A. ラファティ

翼の贈りもの (Seishinsha SF Series)内容、テーマは、昔の「九百人のお祖母さん」の頃と変わってないのはわかるのですが、表現が難しすぎです。「そのドロッとした沈殿物をボウルの縁に掬い上げ、食べる前によく見てみた。それは化石だった」といった表現が次々に連発されます。しかしながら、登場人物は、天才的な才能を持って、笑いながらトンデモないことをやるのも昔のまま。とにかくゆっくりと読むしかない本です。★★★

久々のハードSF「プランク・ダイヴ」グレッグ・イーガン

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)違った世界との数学体系戦争を描く、「暗黒整数」。数学こそが、いまやハードSFの最先端です。他の短編でも、人類は今や死ぬことも無くなって、宇宙の構造そのものを知ろうとしています。最新の物理潮流を盛り込んだ、ハードSF久々に楽しみました。★★★★

2011年12月8日木曜日

東京大学制作展"iii Exhibition"

東京大学制作展"iii Exhibition"、昨日行って来ました。地味に面白かったのが、「#13: HAKOJIMA」風力発電を設置する際に、住民全員で話しあったり、どこに設置するのか、効率以外の文化や、風習や、そういったものを盛り込むための機材です。簡単、単純、それだけにツールとしてのデキが問われます。このツールで大丈夫なのかのEvidenceを、製作者に伺ったら、ノート1冊分のメモが出てきました。これを可視化しないと。帰りは、本郷のファイヤーハウスで、ハンバーガーを食べて帰りました。

2011年12月4日日曜日

Make: Tokyo Meeting 07行って来ました。

行ってきました。「手作りプラネタリウムと立体映像」が面白かったです。赤青立体視で影絵芝居が第2部。第1部は、6000個のプラネタリウムです。後、外で稼働していたロボットに、知り合いが載せてもらいました。バイクのバッテリーで動いている、電車にも載せてもらいました。混み方もちょうどいい感じ。幸せなイベントだと思います。大きくなりすぎず、このまま頑張って欲しいです。

2011年12月3日土曜日

再読してもやっぱり面白い「誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論」D.A.ノーマン

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)10年以上前に読んだのですが、ある人にすすめるために再読。やはり面白い。というか、やはり今でも、電話の使い方には困惑するし、ドアの開け方がわからず、どのボタンでどの明かりがつくのかわからない。設備設計がよくなるのはいつのことなのでしょうか。そして、ますます複雑になるスマートフォン。音声スイッチで世界が、もう1度シンプルになることを祈ってます。★★★★★

2011年12月1日木曜日

コナンに、ポケモンでゲームですが「ダーティペアの大征服 ダーティペアの大帝国」高千穂 遙

ダーティペアの大帝国 (ダーティペア・シリーズ 7)大征服は、キンメリアのコナンパロディ。大帝国は、ポケモンですが、どこかピント外れ。ゲームシナリオを意識して、変に難しくなってます。誰も死なない、ダーティペアでは面白くない。さすがに今読むのは辛いのか。★★