2010年7月31日土曜日

「キャプテン・ブルーベアの13と1/2の人生」ヴァルター・メアス

キャプテン・ブルーベアの13と1/2の人生 上法螺の戦士が登場し、剣闘士のようにほら合戦。全体に、法螺吹き男爵の現代版といった感じ。奇想天外な物語ですが、心には何も残らない。法螺も、それほどでは。★★

2010年7月28日水曜日

ペルディード・ストリート・ステーションよりも読み易いです「ジェイクをさがして」チャイナ・ミエヴィル

ジェイクをさがして (ハヤカワ文庫SF)難解、長大、読むのが大変だった「ペルディード・ストリート・ステーション」のミエヴィルだったので覚悟して読み始めたのですが、4時間ぐらいで、しかも楽しく読み終えてしまいました。中短編は、やはり長編とは構造が違います、このあたり作家の腕前を感じます。ロンドンの街や、通り、鏡、ショッピングセンター。アーサー・マッケンの館や、トネリコの木の次世代バージョンのように、これらが記号化されて、不気味に現代に蘇ります。ペルディード・ストリート・ステーションでは、ロンドンの街角の描写に唸りましたが、この作品でも記号化の過程を読むのがなんとも楽しめました。力量を感じられる1冊です。★★★★

2010年7月24日土曜日

「楊令伝〈13〉青冥の章」北方 謙三

楊令伝 13 青冥の章どう闘うかではなく、何のために闘うのか。相変わらず哲学的な問いが物語の中心です。結局、13巻かかっても民らしい民は殆ど出てこなかったのですが、ようやく村長のオジサンが登場。普通の民として名もなく宿を貸すだけですが、この物語では始めてではないでしょうか。どう生き死ぬのかが問題だった物語を強引に、理想の世の中探しに変えてしまい、登場人物たちを普通に死なせるようになった、このモノガタリ。どうなってしまうのか不安でしょうがないです。★★★

2010年7月21日水曜日

「神話の力」ジョーゼフ キャンベル , ビル モイヤーズ

神話の力神話こそ行き詰まった現代を救う鍵になる。新たな神話の必要性、神話が人間にどうして必要なのかを語る名著です。民話と神話の違い、アメリカ建国に神話が必要だったわけ、日本での神話の意味まで語られる対談集です。★★★★

2010年7月18日日曜日

巨大なステレオタイプ「LIMIT 1,2 」フランク・シェッツィング

LIMIT〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)宇宙エレベーターに、月面ホテル、スカイバイク、発達したネットワーク。近未来を舞台に、天才、大金持ち、工作員、とにかく凄い人達がいっぱい出てきて、世界を動かす小説です。しかし、誰にも共感できないし、本当に新しいSFアイデアも皆無。しかも、絶望的に長い小説。読むのに飽きました。もう読むのはストップです。★★

それほど哲学してない「創世の島」バーナード・ベケット

創世の島ヤングアダルト向けの哲学的なSFで、大人も読めますというと、凄い作品を思い浮かべますが、それほどでもないです。ショートショートSFの、落とし方が甘い程度。驚くほどでもなかったです。人工知能や、中国人の部屋も、ちょっと的外れ。★★

2010年7月16日金曜日

「死者の短剣 遺産」ロイス・マクマスター・ビジョルド

死者の短剣 遺産 (創元推理文庫)1作目の、あまりにも日常的な話から一転、湖の民の生活は面白かったです。物語力も、大幅アップ。ビジョルドらしさが戻りました。悪鬼の秘密や、基礎力の秘密も次第に明らかになり、それが見事に物語にも影響を与え、ファンタジーとしてもいい仕上がりです。★★★★

2010年7月13日火曜日

借りぐらしのアリエッティ原作「床下の小人たち」メアリー ノートン

床下の小人たち (岩波少年文庫)大昔に読みました。ジブリ人気で、図書館に飾ってあって、思わず再読。アリエッティ一家が、家をでなくてはならなくまでの1巻目です。この後、川を下り、捕まえようとする男から逃げ、逃亡生活が続きます。お話は、終わらない、今はアリエッティてたちはどうしているんでしょうか。★★

2010年7月12日月曜日

発達障害者のファーストコンタクト「ハンターズ・ラン」ジョージ・R・R・マーティン、ガードナー・ドゾワ、ダニエル・エイブラハム

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)移民先の惑星で暴力的な生活を送る、主人公。異星人によって、自分の人生を見直し、リアルな自分と、異星人によって造らた自分と、二人で筏生活。そして、ついに自分を知り、新しい人生が。しかし、自分探しの旅がこれほど複雑だとは。ゲド戦記のパロディとしては、寂しいし、本格SFとしては物足りない。しかし、そこそこのでき。悲しい中途半端さです。ジャングルの生活も中途半端で、火はすぐ起きるし、食べ物は苦労しない。嘘が多すぎて、設定はだめだめです。でも、時間をかけた分、何かの力はあるのでした。★★★

2010年7月11日日曜日

脚注だけは素晴らしい「イマココ 渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学」トリン・エラード

イマココ――渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学タイトルから、流行りのGPSや、ルーターを使った位置認識に関する本のように見せてますが、実際は、蜂や、ハトから始まるオーソドックスな空間認識全般を扱った本です。しかも、内容は広く浅くなので、この手の本を一応でも目を通している方にはなんの参考にもなりません。しかし、広く浅い分だけ、脚注に参考文献が山のように紹介されています。
プロストのアクション・オフィスhttp://www.metropolismag.com/html/content_1198/n098man.htm,
これリンク切れてましたが。
他にも、セカンドライフにおけるプロクセミックス研究論文や、カームテクノロジーアートの紹介など、話は聞いていても、原文にあたれなかった情報の元の論文がこれでもかと紹介されています。この脚注、役に立ちます。ということで、脚注に★★★★内容は、読まなくてもいいレベルですが。

2010年7月8日木曜日

ねぎねぎ48時間

Neginegi48 巨大化。節以降は、この48時間で伸びたところです。食べるのがもったいない。 

2010年7月7日水曜日

ねぎねぎ24時間

Neginegi  
Neginegi2424時間でここまで大きくなりました。写真は、ちょっと近づき過ぎですが、実際に大きくなってます。 ご近所に植えた、万能ネギはもっと大きくなてって、巨大化と心配できるほどですが、大人の事情で内緒です。

もりしょう 千石の立食蕎麦屋

もりしょう  千石駅近くのお蕎麦屋。もりしょう 歩いてて十割そば と書いてあったので入ってみました。もり、350円。普通に美味しいです。これで350円は安すぎ。これ以下で、800円以上取っているお店がいっぱいあります。

ガルバ型 ダクト

Garubagata  最近、ダクトが気になってます。これ、ガルバ型って書いてありました。調べてもわからないけど、かっこいい。

2010年7月6日火曜日

発達障害に気づかない大人たち 星野仁彦

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)発達障害や、スぺルガー症候群の本が売れているそうです。人口の10%というと、周りにも必ずいるはずで、それどころか、自分も可能性もあるわけです。片づけられない、すぐキレる、話を聞けないでは、誰でも思い当たるところはあるはずで、判断もつきませんが、薬で改善できる脳の問題であることはよくわかりました。しかし、発達障害が問題で心理的な障害を起こす場合もあるとなっては、なんでもありです。専門医に行くしかないということでしょう。とにかく、こういった問題があるということとを社会的に認知させるにはいい本といえそうです。★★★

2010年7月5日月曜日

ちよだワンコイン、今年も始まる

Chiyoda500 今年も始めりました。千代田区のワンコインドリーム。1万円買うと、1000円の買い物券になります。全部で5000円。問題は、使えるお店が1000軒もないことですが、三省堂、書泉、秋葉原ワイズマートの3件は使えることがわかっているので、5万円ぐらいはこれでOKです。 

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 ヴィトルト・リプチンスキ

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)ネジの発明の歴史ですが。本文よりも、わずか数ページの下町工場作家、小関智弘の解説のほうが数段面白い。旋盤とネジ、機械作りの面白さを見事に捉えています。小型旋盤が欲しくなります。解説に対して、★★★★

徹底した農水省批判「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」浅川 芳裕

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)食料自給率という言葉の意味を始めて知りました。この数字は日本の国防的自給率とは関係なく、実際の自給率は遥かに高いこともよくわかりました。後半は、この数字を作った農水省への徹底的な批判です。日本の農業政策は、補助金を頼りにした農水省の天下り組のためにあり、農家にとっても邪魔にしかなっていない農政ということ。しかし、これは農水省だけでなく、選挙の票田にしている自民党の制作の問題に農水省が乗っかっているような気もします。とにかく、日本農業がこんなになっているという意味では、驚くような本でした。とくにバターを外郭団体が一括して輸入、民間では勝手に輸入できないというのにはビックリしました。エシュレがこんなに高いのは政府の陰謀だったんですね。★★★★

2010年7月4日日曜日

文京区湯島図書館の新刊案内

100701_1233~01  湯島図書館の新館案内が新しくなりました。前は、モノクロ、切り抜きなしだったのが、カラー切り抜きになりました。ちょっと嬉しいです。

下水道工事の最新「おじぎ人」

Ojigi 神田淡路町交差点で、夜間道路工事。これ幅が2mはある巨大おじぎ人です。UFOに乗っかって、飛んでる雰囲気。 

2010年7月3日土曜日

悲惨向けヤングアダルト「ギフト、ヴォイス、 パワー(西のはての年代記)」 アーシュラ・K. ル=グウィン

ギフト (西のはての年代記 (1))ヤングアダルトとはいいながら、内容は悲惨です。故郷からの追放。戦争による占領、奴隷制、小さな子どもの死。1つの世界の、3つの物語。悲惨さのオンパレードですが、それを詩人による、詩の詠唱が繋ぎ、世界の悲惨さを歴史へ、未来へと繋いでいきます。グウィンとは思えない、はっきりとした性格の主人公。彼らが求める安定した世界。それが、文学と詩の中にこそ見つかるという、単純さ。ちょっと理想すぎますが、こういったわかりやすさもたまにはいいものです。★★★

2010年7月2日金曜日

お坊さんが隠すお寺の話 村井幸三

お坊さんが隠すお寺の話 (新潮新書)葬式仏教化した、日本の仏教を内側から、告発かと思ったら嘆くだけ。内側の話がまるで出てこない。隠していることを書いてください。★

2010年7月1日木曜日

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています! [鳥取環境大学]の森の人間動物行動学 小林朋道

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!シリーズ第4弾ですが、ちょっとテンションが下がった感じ。学生の出番も少なくなったような。しかし、羨ましい感じはそのままです。ヤギたちも元気そう。★★★