2010年6月30日水曜日

グロテスクは美術コンテクストだ「アラマタ美術誌」荒俣 宏

アラマタ美術誌美術誌なので、雑誌として美術を紹介しようという、しかも、講演の内容を本にまとめたもの。講演なので、内容は荒いです。がその分、飲み屋の学説のようで面白い。影、陰の歴史、鏝絵の再評価、グロテスクが新しい美術概念を作っていく。美術の新しい概念化、楽しめました。★★★

2010年6月28日月曜日

CSI:ニューヨーク 焼けつく血  スチュアート・カミンスキー

CSI:ニューヨーク 焼けつく血 (角川文庫)CSIシリーズというより、エイブ・リーバーマン・シリーズのような、刑事の苦悩、複雑な犯人像。カミンスキーらしい小説に仕上がってます。★★★

2010年6月27日日曜日

聞込みと科学捜査が見事に連動「CSI:マイアミ 水中の悪魔」 ドン・コルテス

CSI:マイアミ 水中の悪魔 (角川文庫)水中生物に憧れる犯人による、連続暴行殺人。水中なので、証拠も少ない。しかし、微細な証拠に知恵を加えた科学捜査が犯人を追い詰めていきます。半魚人スーツを着込み、水の中での生活に憧れる犯人は本当に不気味です。きちんと、膨大な回り道操作も描かれて、最後まで楽しめました。★★★

2010年6月26日土曜日

あまり証拠が語っていない「CSI:科学捜査班 鮮血の絆」マックス・アラン・コリンズ

CSI:科学捜査班 鮮血の絆 (角川文庫)10年前の連続猟奇殺人事件が復活。しかし、あまり科学捜査していません。通常の刑事っぽい操作ばかり、ラボがなおざり、すぐに容疑者宅へ。しかも、証拠も分析しないうちに、次の容疑者。小説としては2級品です。★★

両国、ポパイで地ビール沢山

ポパイ  一昨日になりますが、両国の地ビールの店、ポパイでエールや黒ビールをたっぷり飲みました。

2010年6月24日木曜日

世界の終りは来るのか「土の文明史 ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話」デイビッド・モントゴメリー二

土の文明史先日、「「食糧危機」をあおってはいけない 」を読んで。温暖化、人口増加、水の不足、食料不足は大丈夫という意見を読みました。しかし、中国でみる、表土の流出、過度の放牧による土地の枯渇はどうなんだろうと思っていたら、丁度、そんな本が出ました。石油よりも先に、表土がなくなってしまう。表土は薄い、流出する、堆積するより早いといった問題を、扱っています。アメリカのタバコ、綿花による土地の荒廃記事は詳しいのですが、その他の歴史的事実は急に大雑把になります。それでも、ローマ帝国崩壊は、プランテーションにより用意されていたというのは説得ありました。また、鋤を使って土地を耕す事自体に問題があるという提案には、驚きました。文明論として、データの信憑性はイマイチの本なので、もうちょっと調べてみないと。それでも、勉強になりました。★★★★

2010年6月23日水曜日

まったく新しい会社の作り方「ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは 」石塚 しのぶ

ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは世の中には、有名でないがとっても気になる会社がいくつかあります。石油の掘削・探査を行っているシュルンベルジェ。この会社、インディ・ジョーンズばりに、現地人を使って石油を掘削。パケットビデオ。2000年のフォーブスの気になる会社100社に入り、社内に最もドクター取得者が多い会社として紹介されました。ぼくも、働いたことがあります。そして、最近気になっているのが、このザッポス。顧客の満足を最優先に考え、まったく新しいコンセプトの会社を作り上げ、顧客も社員も満足を目指す、靴販売会社。内容は、理想的すぎて、ちょっと信用できない部分もありますが、読むとうなるようなルポでした。twitterの奨励、楽しさや、変化の追求、家族主義。驚くような会社です。★★★★

2010年6月22日火曜日

もしエネルギーなら、質量ていったいなにだろう「物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源」フランク・ウィルチェック

物質のすべては光―現代物理学が明かす、力と質量の起源物質は、エネルギーで、エネルギーには重さがなくて、では、質量ってなんだろう。というわけで、物質の基である、クォークをつなぐ強い力。そして、グルーオン。これらが質量を生み出すとすると、そこから統一理論への足がかりとなる粒子の予言が。著者は、ノーベル物理学賞受賞者で、きっちり新粒子の予言もしてあり、LHCの可動が楽しみな終わり方。ドキドキする本です。★★★★★

2010年6月21日月曜日

レトロフューチャーはこう作れ「背景ビジュアル資料〈3〉潜水艇・研究施設・巨大プラント (背景ビジュアル資料 3)」西澤 丞

背景ビジュアル資料〈3〉潜水艇・研究施設・巨大プラント (背景ビジュアル資料 3)マットペイントのための背景ビジュアル資料集の中の1冊ですが、最も、西澤 丞らしい写真集はこれじゃないでしょうか。工場や、研究所、重い機械たちを、背景美術としてSFの背景にするための本ですが、写真がすでにそうなるべく撮ってあります。現代の写真の一部の中に、レトロフューチャーな部品があるなら、それを想定して写真を撮れる。勉強になりました。★★★★

大人も読める、ヤングミステリー「マデックの罠」ロブ・ホワイト

マデックの罠 (海外ミステリーBOX)砂漠で狩りの途中に、誤って老人を殺したハンターは、ガイドの青年を裸で砂漠に放り出す。エドガー・アラン・ポー賞受賞の、対決物です。利己的で冷徹なハンターと、素朴な青年の知恵比べ。もう一ひねり欲しかったです。★★★

2010年6月20日日曜日

未訳の作品「未来医師」フィリップ・K・ディック

未来医師 (創元SF文庫)オーソドックスなタイムパラレルもの。タイムマシンがあるというのに、使用目的がチープすぎ。未翻訳だったわけがわかります。現実もゆるがないままで、ちょっとディック作品とは思えない読みやすさが、寂しく感じました。★★

2010年6月19日土曜日

鳥取環境大学第2弾「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! [鳥取環境大学]の森の人間動物行動学」小林朋道

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学別に田舎過ぎるというワケではありません。廊下をコウモリが飛んで、きちんと問題になっています。素晴らしいのは、そのコウモリを捕獲、調査して、裏山に放してやるところです。普通なら、校舎のどこかの隙間で死んで干からびる運命。それが、教育の道具になる、本当にこの先生凄い。ヤギや、鳩の秘密も分かりました。★★★★

鳥取環境大学第3弾「先生、子リスたちがイタチを攻撃しています! [鳥取環境大学]の森の人間動物行動学」小林朋道

先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!子リスの赤ん坊が、集団でイタチを威嚇する音を出す。この本を読むと、自然嫌いのぼくでも、動物に触ってみたくなります。狩猟採集をしていたころの記憶でしょうか。バイオフィリアという言葉も、始めて知りました。人間とは何なのか、自然と切り離した思考体としかみない、哲学とはまったく違うアポローチを垣間見れます。★★★

2010年6月18日金曜日

twitter くじら

クリップボード01 またも。 

単行本未収録作品を含む初期短編集「狐と踊れ〈新版〉」神林長平

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)1981年に出版された同名の短編集から、「敵は海賊」を削除。その代わりに、単行本未収録の4編を加えた、初期短編集です。いかにも初期の秀作といった短編がギッシリ。神林ワールド構築前の、時代を感じさせる作品が揃ってます。★★★

あまり近代科学してない「首都高山手トンネル」西澤 丞

首都高山手トンネルないものねだりしてはいけないんですが、西澤 丞写真の中では1番近代科学していない写真集。首都高速中央環状線山手トンネルの建設工事風景。人をまったく排除した工事現場は、閑散として殺風景。まだ、方法論が固まる前の写真集と書いたら著者に失礼ですが。★★

2010年6月17日木曜日

適当に君が代を考える「国歌斉唱♪---「君が代」と世界の国歌はどう違う?」新保 信長

国歌斉唱♪---「君が代」と世界の国歌はどう違う?ラグビー、サッカー海外チームの国歌斉唱から、海外の国歌事情を調べ、そこから君が代を考えるという本。しかし、適当でいいでしょうという前提なので、考え方や見方が提示されないため、読んだからといってどうということもない。それなら読まなくてもといった感じです。「ワールドカップで国歌斉唱!」いとうやまね の力強さが欲しいです。★★

これぞ現代史「ワールドカップで国歌斉唱!」いとうやまね

ワールドカップで国歌斉唱!ワールドカップで選手が歌っている国家。何を歌っているんだろう、どうしてその歌詞になったのか、歌詞が変更さfれた理由。国家を通して、その国の歴史、成立過程が理解できて、サッカーも楽しめるという素晴らしい本。きちんと歴史書にもなってます。ぼくも、現代文学で同じ過程を楽しんだことがあって。イタリアのウルトライズモ、ガルシア・マルケス、アイルランドのイエイツと文学が歴史に直結していました。切って返して、君が代にも実に柔らかなアクセス。★★★★

現状がよくわかる「USTREAM 世界を変えるネット生中継」川井 拓也

USTREAM 世界を変えるネット生中継 (ソフトバンク新書)最近目に付く、ダダ漏れという言葉の発生過程。USTREAMというサービスの使い方、現状がコンパクトにまとめられています。twitterが合体し、いつの間にか別のメディアになったストリーミング・メディアの可能性を著者が信じているのが伝わっています。★★★